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大塚康生氏の記念すべき、初作画監督作品。
絵柄にやはり東映色が色濃く出てはいるものの、随所にその後の大塚色が出ており、大塚ファンにはたまらない作品である。
氏自ら、演出には高畑勲氏を指名し、場面設計には宮崎駿氏が参画するという豪華な布陣。
とにかく滑らかな動きが美しい。
作画枚数150,000枚と言うから、質にこだわる氏の意気込みが感じられる。
経営側からの金のかけ過ぎという部分での確執などについては、氏の著書『作画汗まみれ』で詳しく語られているので、是非参照されたし。
残念ながら、自分はリアルで劇場では見ていないが、テレビで放映されるたびに何度も見ていた。
自分は冒頭とラストで登場する巨人モーグが好きで、たまらなかった。
また大カマスとの一騎打ちは、数ある氏の作画シーンでも大迫力の名シーンである。
製作後に、氏が「自分のあるべき場所は職人的アニメーター」と認識したという、ある意味、その後の大塚康生氏の生き方を決定した作品と言えるのではないだろうか。
狼襲撃のシーンが会社命令で「止め」の絵になったと言うような経緯があるようだが、自分も所持している東映から発売されているDVDに、「作画枚数150,000枚の超大作」と謳われているのは、皮肉なものだ。
ともあれ、大塚氏を語る上で、絶対に見逃してはならない作品であることは間違いない。
(Kissy@管理人 2003.7/11) |
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